AFP=時事通信社によりますと、
スロバキア初の女性大統領誕生へ、弁護士のチャプトバ氏 決選投票で勝利
東欧スロバキアで30日、大統領選の決選投票が行われた。ほぼすべての開票が終わった時点で政府を声高に批判してきた弁護士で反汚職活動家のズザナ・チャプトバ(Zuzana Caputova)氏(45)の当選が確実となった。同国初の女性大統領が誕生する。
スロバキア統計局によると、得票率は環境活動家でもあるチャプトバ氏が58.40%、欧州委員会(European Commission)のマロシュ・シェフチョビッチ(Maros Sefcovic)副委員長(エネルギー同盟担当、52)が41.59%だった。公式結果は31日正午(日本時間同日午後7時)に発表される。
シェフチョビッチ氏は記者会見で、チャプトバ氏に勝利を祝う電話をしたと明かした上で、花束を贈る意向も示した。
「悪に立ち向かう」をスローガンに掲げてきたチャプトバ氏は先に、今回の選挙戦で「人道主義と連帯、真実といった価値観が、われわれの社会にとって重要であること」を示したと語っていた。
チャプトバ氏は2016年、故郷であるペジノク(Pezinok)の廃棄物埋め立て処分場建設計画を阻止したことで賞を受けた。政治経験こそ浅いものの、厳しい闘いには慣れている。
近年では、汚職疑惑を追及していたジャーナリストのヤン・クツィアク(Jan Kuciak)氏とその婚約者が2018年2月に殺害された事件を受けて、大勢の反政府活動家とともにスロバキアで街頭デモを行っていた。クツィアク氏はスロバキア政界とイタリア系マフィアとの癒着疑惑に関する記事を発表しようとしていた。
選挙期間中にチャプトバ氏は、「検察や警察から政治的影響力を剥奪する構造改革に着手」する方針をAFPに明らかにしていた。また高齢者福祉や環境保護にも力を入れると公約していた。
スロバキアの大統領の役割はおおむね儀礼的なものにとどまるが、国際条約を批准したり、最高裁判所判事を任命したり、軍の最高司令官を務めたりするほか、議会が可決した法案に拒否権を行使することもできる。
出展:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190331-00000001-jij_afp-int
・・・という情報が入ってまいりました。
日本ではあまり馴染みが無い東欧のスロバキアゆえ、情報もあまり入ってきませんが、美人がたくさんいることで有名な国の一つです。
しかも史上最年少で大統領になったという若くて美人の政治家ですから、どんな人か気になりますよね?
彼女について調べてみましたのでどうぞ。
1. ズサーナ・チャプトーヴァさんのプロフィール
ズサーナ・チャプトーヴァさんは1973年6月21日生まれのスロバキアの政治家で弁護士の資格を持ちます。
スロバキアの首都ブラチスラヴァの労働者階級の過程に生まれ、ペジノクという町で育ちます。
1991年から1996年にスロバキア共和国でも最も歴史のある総合大学のコメニウス大学で学び卒業。成績優秀で表彰されています。
卒業後はペジノク町役場で法務部のアシスタントとしてキャリアをスタートし、後に町長代理まで昇格。
その後、行政部門にて子供の虐待対策プロジェクトに従事。
そして、地方の発展を推進するEQ Klubでプロジェクト・マネージャー業務に従事しながらスロバキア教育省の認可教育プログラム、ジェネラル・マネジメント-変革のマネジメントを受講し1999年にプログラム終了。
2001年から2017年の間VIVA IURISと言う公民活動協会に属し(2010年からは同協会の法務顧問として)、ペジノク町の廃棄物埋め立て処理場の建設計画に反対する運動の主導者になられ、最高裁で、同計画はペジノク町及びその周辺地域の土壌、空気及び飲料水を汚染することから法律違反行為である旨を主張し勝利、プロジェクトの差し止めに成功します。
現在は弁護士の個人事務所を運営しながら、執筆と政治活動に従事されています。
また、彼女は世界環境保全法組合のメンバーでもあり、当組合の弁護士及び法務顧問でもあります。
現在はシングル・マザーとして二人のティーンエージャーの娘と暮らしています。
ズサーナ・チャプトーヴァさんと娘のエマさん。
出展:https://www.presstv.com/Detail/2019/03/16/591214/EU-Slovakia-Presidential-Election-Caputova
新興宗教は禅宗。
2.ズサーナ・チャプトーヴァさんのこれまでの活動
スザナさんは2016年には故郷のペジノク(Pezinok)の廃棄物埋め立て処分場建設計画を阻止したことでゴールドマン環境賞を受賞。
ペジノクの廃棄物埋め立て処分場で写真に写るズサーナ・チャプトーヴァさん
*ゴールドマン環境賞とは-Goldman Environmental Prize/アメリカの保険会社Goldman Insurance and Risk Managementの会長だったリチャード/ローダ・ゴールドマン夫妻が1990年に設立した環境保護に功績のあった活動家に与えられる賞。表彰は年に1回。日本人はこれまでに1991年に黒田洋一氏が日本の無責任な木材輸入活動の批判・低減活動、1998年の山下弘文氏の諫早干潟干拓反対運動が評価されて受賞。
そして これまでの環境保全活動の実績が認められ、2017年12月にスロバキア革新党(Progressive Slovakia)に入党、2018年の1月には副議事長に任命されています。
その後2019年の3月まで党の副会長を務め、大統領選に出馬。
その際、スロバキアの政治家とイタリアのマフィアの癒着について調査していたスロバキアの調査報道ジャーナリスト、ヤン・クツィアク氏が婚約者とともに殺害された事件を事例に、「反汚職・勧善懲悪・現政府からの変革の必要性」を大々的にアピールすることで民衆の支持を集めることに成功されています。
また、スロバキアは元々は共産圏の国で環境保全に関する法規制が緩く、周辺国から物価の低いスロバキアにゴミを輸出し処理させる・・・という貿易活動が定着していましたが、ズサーナ・チャプトーヴァさんが大統領になることでこの流れが止まり、違法ゴミ処理施設が減少し住環境が衛生的になることも期待されています。
3.ズサーナ・チャプトーヴァさんの公約とポリシー
ズサーナ・チャプトーヴァさんが大統領になることでどんな国にスロバキアが生まれ変わるのでしょうか?彼女の公約・ポリシーをまとめてみました。
(1)Justice for all citizens/全ての市民に公正な権利・生活を
スロバキアでは全ての市民が平等な権利を保有しておらず息苦しい生活を強いられており、司法や警察の仕組みを改善することが必要・・・とのこと。
チャプロバさんが大統領になることで、警察、検察、裁判所を公的な機関として独立させ、一部の権力者や役人の影響により弱者が虐げられない世の中になることが期待されています。
(2)Dignity for pensioners/年金生活者に尊厳を
スロバキアでは年金生活者が軽視され、社会的弱者として扱われているとのこと。
彼女が大統領になることで、現在は品質が低く選択肢も少ない老人介護施設に関して、よりきめ細やかなサービスを提供できる様に小規模の介護施設及び介護人員を充実させること、そして社会保障及び国民医療補償制度への税金割り振りの増加を推進することを公約にあげておられます。
また、これまでタブー視されてきた安楽死についても、個人の意見を尊重し選択ができる様に世の中の風潮を変えていきたいとのこと。
(3)Environmental conservation and regulation/環境保全活動と環境保全法について
スロバキアは自然が豊かで美しい野山、綺麗な川に栄養豊富な土壌を元々保有しており、人々が安心して豊かな生活を送るためにはそれらが守られることが必要不可欠とのこと。
スロバキアの環境問題は深刻で、政治家も環境保全のために取り組むことが政治活動の一環で必要と主張。
これまで政府や役所は過剰な森林伐採を認めることで一部の者が富み、環境が破壊されてきたのも見過ごされてきたが、彼女が大統領になることでそういった活動は低減させ、少なくとも現在開発が検討されている5%の地域については、重点環境保全地域に指定して開発を止める予定。
(4)Registered partnerships/同性婚の結婚について
同性婚の結婚を合法にするとのこと。また、同時に多様性が認められる社会の土壌づくりに取り組むとのこと。
(5)Abortion and reproductive rights/中絶と受胎調節について
個々の女性が選択肢を持てる世の中にしたいとのこと。
4. ネットの声
ズサーナ・チャプトーヴァさんが大統領に選ばれたことに関する感想をネットで確認してまいりました。
スロバキアの大統領選挙、勝利したのは反汚職を唱えた女性弁護士。無名候補でしたが、討論会を通じてその倫理観や高潔さに支持が集まりました。ポピュリズムが広がる欧州の希望の星となるでしょうか。 https://t.co/oEwPp4Fljl
— 石川潤(日本経済新聞)JUN ISHIKAWA (@junishikawa_nk) 2019年3月31日
無名に近かったズザナ・チャプトバ氏は「『悪と戦う』と訴え、特に都市部や若年層の支持を集めた」という。スロバキアは「大国」ではないが、ポピュリズムが席巻する欧州でリベラル派大統領が生まれた影響は少なくない。参院選は近い。野党よ、「社会正義のために」戦え!https://t.co/9j2DhKAnVC
— 北村肇 (@bkhajime) 2019年3月31日
スロバキアに女性大統領 「反汚職」ポピュリズムに一矢:日本経済新聞 https://t.co/YrqFG0VlIJ
おれがよくわからないのは右派思想はポピュリズムで左派思想は人気取りでもポピュリズムにならないってとこは理解できない。
ポピュリズムは大衆迎合が強い政策で右派左派ともに存在するはずだ。— もへもへ (@gerogeroR) 2019年3月31日
日本も反安倍、「反汚職」で一斉地方選、参院選で勝利し、自公安倍政権を打倒しましょう。https://t.co/lIAmIzwaHk
— 松本悟 (@watokota) 2019年3月31日
旧政権に不満を持っていた大衆の声が選挙結果に反映されたことがすごい・・・というご意見が目立ちました。 日本の現政権に対しても不満の声がちらほら。
4. まとめ
スロバキアは日本人にとって、遠くなじみが薄い小さな国ですが、大衆が政策や世の中の仕組みに不満を持っているのは我々日本人と同じですね。
検察や司法制度の腐敗、環境破壊など我々日本人にとっても見過ごすことができない問題ですが、国民の意向が反映される形で大統領が選ばれるのはすごいことではないでしょうか?
日本でも同じ様に民衆の声が反映される世の中になってほしい、そして、強いリーダーシップを取り世の中を住み良い状態にする政治家があらわれてほしいですね。