AFP通信によりますと、グッチやイヴ・サンローランなどの高級ブランドを傘下に置くKeringグループの会長兼参考経営責任者のフランスの大富豪・フランソワ・アンリ・ピノー氏が火災により尖塔が崩落した仏パリのノートルダム寺院修復に1億ユーロを寄付することが判明しました。
ノートルダム寺院再建に120億円寄付、グッチ傘下に置く高級ブランドグループ会長が表明
【AFP=時事】グッチ(GUCCI)やイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)などの高級ブランドを傘下に置くグループ「ケリング(KERING)」の会長兼最高経営責任者(CEO)であるフランスの大富豪フランソワ=アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)氏は15日、大規模な火災により尖塔が崩落するなどの被害を受けた仏パリのノートルダム寺院(Notre Dame Cathedral)の再建に1億ユーロ(約120億円)を寄付すると表明した。
ピノー氏はAFPに対し、寄付は同氏一族が経営する投資会社「アルテミス(Artemis)」から支払われ、「ノートルダム寺院を完全に再建するために必要な取り組み」に充てられると明らかにした。
出展:http://news.livedoor.com/article/detail/16323676/
この記事では、アンリ・ピノー氏が簡単に120億円を寄付することができる財力を持っていることを確認することができる、彼の豪邸、財産、資産に焦点をあてて見ました。
1. フランソワ・アンリ・ピノー氏のプロフィール
(1)フランソワ・アンリ・ピノー氏のプロフィール概要
フランソワ・アンリ・ピノー (François-Henri Pinault)氏は1962年5月28日生まれのフランスのビジネスマン。
フランソワ・アンリ・ピノー 氏の父、フランソワー・ピノー氏が、現在は小売業界を脱却し ラグジュアリーブランドとなったケリング社の大元となるPinault S.Aを創業しました。
1985年にHEC School of Management を卒業。在学中は既存のCRM会社Soft Computingを起業し、パリのヒューレット・パッカード社でインターンシップを経験。
卒業後は、ロサンゼルスのフランス領事館でファッションと新技術分野の研究を担当し、兵役を終えています。
そして父が作ったPinault Distributionに入社し、購買マネージャーからヘッドマネージャーと要職を歴任。
関係子会社の社長や最高経営責任社に就任し経営を学んだ後、2003年からアルテミス (投資会社)社長と2005年からケリング会長兼最高経営責任者(CEO)を務めています。
- GroupeArtémisの社長
- Electronic Business Groupの創設者
- フランスリーグ1フットボールクラブ、 Stade Rennaisの所有者
- ChâteauLatourの管理委員会のメンバー
- クリスティーズの役員
・・・といった要職を務められています。
更に、以下の栄誉を受賞。
- 2006年: シュヴァリエドラレジオンドヌール
- 2015年:GCCグローバルリーダーズオブチェンジ賞
- 同年 :企業責任における基準を設定し、女性およびその他の少数民族に対する差別ついての意識を高めることに対して、ADL(反中傷防止リーグ)国際リーダーシップ
- 2016:バニティフェア殿堂入り
- 2018年: ハーバードビジネスレビューによる世界最高のCEO第4位
- 同年:フォーチューン誌による今年のビジネスマン第8位
(2)フランソワ・アンリ・ピノー氏の家族
①最初の結婚
1996年から2004年にかけて Dorothée Lepèreと結婚。息子François(1999年生)と娘のMathilde(2001年生)がいます。
出展:http://www.goodtimes.com.pk/salma-hayek-francois-henri-pinault/first-wife-dorothee-lepere/
②2回目の結婚
2006年に女優のサルマ・ハエックと交際開始。 2007年3月、ハイエクの妊娠が判明し同月婚約。
2007年9月21日に娘Valentinaが生まれ、二人は2009年2月14日にパリの6区の市庁舎で結婚しています。
↑セルマ・ハエックと娘のヴァレンティーノ
また、結婚はしていませんが、フランソワ・アンリ・ピノー氏は、スーパーモデルのリンダ・エヴァンジェリスタと2006年10月から2006年1月にかけて交際し、二人の間に2006年10月に息子のオーガスティン・ジェームズ・エヴァンジェリスタが生まれています。
2. フランソワ・アンリ・ピノー氏の資産
フランソワ・アンリ・ピノー氏はPinault S.Aを率いていた1990年代初頭に今後小売業を継続するだけではビジネスの発展が見込めないことから他の業態への変更を模索し始めました。
その後、ファッションとラグジュアリーブランド商品を高成長事業として定め、ここに経営資源を集中投資し始めます。
その結果、事業として入手したブランドが以下の通り。
- グッチ
- イヴ・サン=ローラン
- ボッテガヴェネタ
- バレンシアガ
- ブシュロン
- アレクサンダーマックイーン
- ステラマッカートニー
- Girard-Perregaux
- Brioni
- Qeelin
- Pomellato
- Christopher Kane
- Tomas Maier
- ユリス・ナルディン
- Puma (後に事業撤退)
- Volcom (後に事業撤退)
これにより巨大ラグジュアリーブランドの統括事業体となり、2018年の収益は155億ユーロ(約2兆円)を叩き出しています。
そして、お金持ちの家庭に生まれた方の資産ばかりを情報管理しているサイト:Born-Richがあるのですが、そこの情報では、彼の資産は$15Billion(約1.6兆円)とのこと
出展:http://www.bornrich.com/francois-henri-pinault.html
・・・ということで相当の大金持ちなのですが、実はフランソワ・アンリ・ピノ氏のお父様、フランソワ・ピノー氏が未だご存命中でして、彼は2016年にフランス国内で第4位の資産を持っていることが雑誌Forbesの調査で判明しております。
そして現在の資産は以下の通り348億ドル(約3.9兆円)です。
・・・フランソワ・アンリ・ピノー氏はフランソワ・ピノー氏の唯一の子供で遺産も将来的に引き継ぐことでしょうからフランソワ・ピノー氏の資産も将来的にはフランソワ・アンリ氏のものに・・・。
事業のトップはフランソワ氏で財産、資産も重複してカウントされているものがあると思われますが、正確にいくら資産を持っているか、多すぎてわからない・・・という桁違いのお金持ちであることがこれで良くわかります。
そんなフランソワ・アンリ・ピノー氏ですが、どんなお家にお住みでしょうか?
3. フランソワ・アンリ・ピノー氏の豪邸
何兆円もの資産を持っているのですから、お城の様なお家に住んでおられるのでしょうけれども、本宅はネット上で確認することができませんでした。
一方で、別荘に関する情報を入手しましたのでご覧ください。
ロンドンのお家
歴史的に価値があるこのお家は、著名デザイナーバーナード・ネヴィル氏が内装を手がけています。広さ、価格は不明。出展:http://www.bornrich.com/francois-henri-pinault.html
ロサンゼルスのお家1.
約22億円. 約 700平米. 5つの寝室にプール付き
出展:https://www.pinterest.jp/pin/323766660683209925/visual-search/?x=11&y=9&w=300&h=231
ロサンゼルスのお家2
約19億円。 Richard Neutra という著名建築家設計。595平米。4つの寝室、5つの浴室、暖炉付きの大きなリビング、映像室付き。 庭はイサム・野口氏が設計。
出展:http://www.bornrich.com/francois-henri-pinault.html
何兆円もの資産を持っている割に、(無論庶民の我々には手が届かない大きな立派な豪邸ですが)地味に感じてしまいました・・・。
他にもたくさんお家をお持ちのことでしょう。 見つけ次第、この記事に追記させていただきますので又、気になったら遊びに来てくださいませ。
4. フランソワ・アンリ・ピノー氏の高級車
何兆円もお金を持っているのでミニカーを買う様な感覚で自動車を購入されていると思いますが、意外にもそんなにたくさんの車をお持ちではありません。
Lexus LX SUV
トヨタの高級SUV。1200万円くらいから価格がスタート。
Ford GT
フォードのスポーツタイプの高級乗用車。約1,600万円。この様な一般的にはよく知られていない高級スポーツカーに乗っておられるのですから車好きであることがわかりますね。最高速300キロ超。燃費はリッター6キロと思ったよりも経済的!(ロールスロイスなどの一部の高級車はリッター1〜2キロなんてのがあります。)
プライベートジェット
ロサンゼルスから飛び立つところを写真でおさめられています。 型式がわかりませんが、”高い”ことに間違いございません。
お家と一緒でたくさんお持ちなのでしょうけれども、目立たない様に行動を取られているのでしょうね。
あまりたくさんの情報が見つかりませんでした。
5. ネットの声
ノートルダム寺院再建に120億円寄付するフランソワ=アンリ・ピノー氏って、妻がサルマ・ハエックなのか。おお。最近ではH.ワインスタインによるセクハラ事件についてのNYタイムスの記事で話題だし、『フリーダ』も名演だけど、私にはタラちゃん脚本の『フロム・ダスク・ティル・ドーン』の蛇女が原点。
— 青山ゆみこ (@aoyama_kobe) 2019年4月16日
ノートルダム修復に1億ユーロの支援を申し出たフランソワ・アンリ・ピノーってグッチ持ってるケリングの、あのサルマ・ハエックの夫のピノーよね。 https://t.co/W8bM00gKmr
— 丙ウマ・サーマン (@hinoeumathurman) 2019年4月15日
RT @wwd_jp 欧州の複数のメディアがグッチと親会社ケリングの脱税疑惑を報道 両社は否定 https://t.co/dKYqfwGZ3I フランソワ=アンリ・ピノーとかの脱税疑惑もあるし、日本のゴーン氏が逮捕されたっても色々なことあるわけだし 富豪=何か悪いことやっているイメージな
— ケッツアール (@lain4125) 2019年4月16日
本当に悲しい火災ですが、GUCCI擁するケリンググループは早速寄付を表明、と。パリが本拠地のLVMHはどのようなアイデアでこの事件に向き合うのか、ファッション業界としては注目ですね。 #NewsPicks https://t.co/zrR8MA3vzN
— 岩田 真吾 / Shingo Iwata (@ShingoIWATA) 2019年4月16日
カトリック教会「大聖堂老朽化してるけど寄付集まらん…せや、工事時中に火災が起きたことにすればみんなの愛国心が湧いて再建の寄付が集まるのでは」
マクロン「再建するわ」
フランソワ=アンリ・ピノー「120億円寄付するで」
カトリック教会「俺の勝ち、ほないただきます」 pic.twitter.com/jors3285xf
— ◦┄┄◦ (@taken_0114) 2019年4月16日
さすが!大金持ちはやることが早い。フランスの観光資源は、国の宝です。 ノートルダム大聖堂の大火災、ケリング会長兼CEOピノー氏が再建に約126億円の寄付を表明 https://t.co/wM6ee2T3Ja
— Yasuo Jin (@YnYasuo) 2019年4月16日
ぐぐったら、ピノー家は少し前にべつの教会にもお金だしてて、フランソワ=アンリ・ピノーはサルマ・ハエックの伴侶だった(2009〜)。
— 福武 忍 (@shinobuns) 2019年4月16日
6. まとめ
・・・ととんでもないお金持ちであることがわかりました。
フランス語では、ノブレス・オブリージュ( noblesse oblige )【直訳すると「高貴さは(義務を)強制する」を意味し、一般的に財産、権力、社会的地位の保持には義務が伴うことを指す。】という言葉がありますが、文化を守るためにもノートルダム寺院の再建設に寄付されるこの行動は讃えられるべき行動であります。
フランスの栄華を誇れる立派な建物として早くノートルダム寺院が復活することを祈っております