Niftyニュースによりますと、米国の次期大統領選の民主党候補選びでインディアナ州サウスベンド市の市長で同性愛者のピート・ブティジェッジ氏が出馬することが正式に発表されました。
37歳同性愛市長が出馬表明=支持率急上昇で注目-米大統領選
【ワシントン時事】2020年米大統領選の民主党候補者選びで、インディアナ州サウスベンド市の市長で同性愛者のピート・ブティジェッジ氏(37)が14日、正式に出馬表明した。同氏はほとんど無名だったが、1月に出馬の意向を示してからは「切れ者」と注目が集まり、支持率が急上昇している。
「『米国を再び偉大に』とは、別の話をするために私はきょうここにいる」。
ブティジェッジ氏は14日、ラスト・ベルト(さび付いた工業地帯)の一角に位置するサウスベンド市で、トランプ大統領の選挙スローガンを引き合いに出馬を表明。「過去の政治と決別し、全く異なるものに向かって歩きだすときだ」と訴えた。
ブティジェッジ氏はアフガニスタン戦争に従軍経験があり、大統領選で同性愛を公表した初の主要政党候補とされる。8カ国語に堪能なほか、ピアノもプロと共演する腕前という。
出展:https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-247967/
日本ではあまり知られていないブティジェッジ氏の大統領選出馬表明にあたって、先に知っておくと鼻高々に感じる情報をまとめておきましたのでどうぞ。
初めに申し上げておきますが、ブログ管理人がこの記事を作成するにあたって参照したのは↓のサイトです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Pete_Buttigieg
万が一情報が誤っている場合、大元のソース記事が誤っているからですのであらかじめご承知おきねがいます。
また、この記事は逐一改定いたしますのでその点もご了承願います。
1. ピート・ブティジェッジ氏の経歴
ピート・ブティジェッジ氏の本名はピーター・ポール・モントゴメリー・ブティジェッジ(Peter Paul Montgomery Buttigieg )と言います。
実はブティジェッジの苗字は珍しく、アメリカでも正しく発音ができないアナウンサーがたくさんいます。 よろしければ動画をご覧ください。w
1982年1月19日生まれ37歳の若き政治家、アメリカ海軍情報局のオフィサーでインディアナ州のサウスベンド氏の市長を2012年から務めています。
上の記事にも書かれてありましたが、サウスベンド市とはラストベルト “Rust Belt(錆びついた帯)”に位置する市です。
東海岸のボストンからNYを経てワシントンD.C.を結ぶ一帯から中西部のミシガン湖の畔にあるウィスコンシン州ミルウォーキーあたりまでを指すのですが、このあたりは自動車産業を中心とした重工業や鉄鋼業で栄えた町がたくさんあるのです。
そしてこれらの産業が斜陽になり、鉄鋼業・重工業の機会が止まり錆びついたこと、そしてその影響で経済活動が錆びついたことからこれらの地域はラストベルトと呼ばれています。
要は、昔の様に経済に勢いが無い地域の町なのです。
他にサウスベンド市で有名なのは、フットボールで有名なノートルダム大学があるのと、ダルビッシュ投手がリハビリで投げていたシカゴ・カブス傘下のマイナーリーグチーム、South Bend Cubsがあることです。
ノートルダム・ファイティング・アイリッシュ
出展:https://athlonsports.com/college-football/notre-dame-fighting-irish-2018-football-schedule-and-analysis
サウスベンドカブスで投げるダルビッシュ投手
出展:https://www.southbendtribune.com/sports/professional/sbcubs/one-and-done-for-cubs-right-hander-yu-darvish-at/article_8359594b-eb69-53ec-933a-b8ab9ecd03b8.html
ブティジェッジ氏は米国のハーバード大学と英国のオックスフォード大学を卒業しています。(オックスフォード大学時代は世界一と言っても良いくらい権威が高いローズ奨学金を得て留学しています。)
そして2007年から2010年はこちらも入社難易度が非常に高いことで有名なコンサルティング・ファームのマッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務。
そして2009年から2017年の間はアメリカ海軍諜報機関にて情報部員として所属し、2014年には中尉として米国のアフガニスタン戦線の戦団配備に貢献しています。
氏はサウスベンド市の市長として2011年に初めて選ばれ、2015年から現在まで2期目を務めています。
1期目ではサウスベンド市の活性化に大きく貢献したことで高く評価されており、2013年には GovFresh’s Mayor of the Year award(最優秀市長賞)を受賞しています。
2010年にはインディアナ州の会計役員に選挙で立候補、そして2017年民主党全国委員会の議長にも立候補しています。
そして2019年1月に氏は民主党の大統領選候補選抜の為の検討会を設置し、2020年に彼が大統領選で選ばれる可能性があるかを検証していました。
結果、昨日4月14日に勝機があると判断し、出馬を表明することになったのでした。
彼は最初の同性愛者であることを公表している民主党の大統領選の参戦者です。
彼の公約は
- ユニバーサル・ヘルスケア(市民の全員に保健医療サービスおよび医療費補助を提供する保健プログラムのこと)
- 環境保護
- 死刑制度の廃止
- 労働組合代表と民主党代表の話し合いと協力による労働環境の向上
- 重火器の購入時の身分確認の徹底化
- 既存の連邦法によるLGBTに対する差別的な制度の撤廃
- 若年移民に対する国外強制退去の延期措置若年移民に対する国外強制退去の延期措置、と
- 経済的不平等の解消
です。
敬虔なカトリック教徒で、言語(8カ国語:英語、フランス語、ノルウェイ語、スペイン語、イタリア語、マルタ語、ペルシャ語とアラビア語)にも精通しています。
また、ギターとピアノの演奏が得意で、サウスベンド市のオーケストラと共にピアノを演奏した経験もあります。
2.ピート・ブテイジェッジ氏の家族
ブテイジェッジ氏はJennifer Anne Buttigiegさん(母親、ノートルダム大学の教授)と Joseph Buttigieg さん(父親、ノートルダム大学の教授)夫婦の長男としてサウスベンド市で生まれています。
お父様はマルタ島出身で米国に移民する前はイエズス会の僧侶になる為にストイックに修行をつまれていましたが、ノートルダム大学では世俗的な文学の教授としてキャリアをスタートさせておられます。
因みにButtigiegはセム語で家禽という意味だそうです。
一方で母親はイリノイ州南部の軍隊一家出身で、テキサス州など軍隊がある町をあちこち転々として育ったとのこと。 芸術学の修士過程をノートルダム大学で習得したものの、首都のワシントンD.C.にあるNational Cathedral School で何年か教鞭を取られてから夫と同様にノートルダム大学の教授になられています。米国聖公会が宗教で、ピートは長男であり唯一の子供でもあります。
そして結婚パートナーですが、Chasten Glezman氏と2018年6月16日に結婚しています。出会い系アプリのHingeを通じて出会ったそうです。子供は無し(欧米ではLGBTパートナーが養子を育てることがあります)で、Truman と Buddyという犬を飼っています。
3. ブティジェッジ氏の優秀さを示すエピソードの数々
ブティジェッジ氏は学業にも仕事にも大変立派な実績を残してこられました。
- 2000年に高校卒業時は卒業生総代として挨拶
- 同年John F. Kennedy 財団主催の作文コンテストで1位を取り、ボストンにてキャロライン・ケネディ氏から直接賞を授与。
- ハーバード大学ケネディスクールでも総代を務める。
- ハーバード大学卒業時にはローズ奨学制度を授与し、哲学、政治学、経済学を優等で卒業。
- Jill Long Thompson氏の国会議員選挙活動に大学時にインターンとして参加
- 上院議員John Kerry氏の大統領選挙活動にポリシー/研究のスペシャリストとして参加
- 世界で最も入社が難しいとも言われるマッキンジー・アンド・カンパニーでコンサルタントして就職
- 海軍諜報機関に情報部員として勤務し、アフガニスタン戦線の戦団配備を任される
- 2011年11月にサウスベンド市の市長に立候補し、翌年1月に29歳で市長に任命される(これまでに就任したサウスベンド市長の中で2番目に若い)
- 2013年に GovFresh.comが表彰する最優秀市長賞を受賞
- 2014年にワシントン・ポスト紙により「若さ、学歴、軍隊出身者という経歴で最も興味深い政治家」と評される
- 2016年にニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、フランク・ブルーニ氏により「最も大統領の椅子に近い市場始めてのLGBT政治家」と評される
- 経済停滞の影響から至る所に綻びが生じていたサウスベンド市の街並み、通り、公園に手を入れ新たに夜光灯やアート作品をファンドを募って導入することに成功
- 伝統的にLGBTの人々に対しては厳し目のルールや法律が適用されがちであったインディアナ州の法律の見直しに着手し、LGBTにも人権が認められる様な制度に改変。
・・・ということで学業は優秀なのはもとより、若く行動力があり政策も立派な為、地元のサウスベンド市のみならず多方面から多くの支持を得ています。
4.ネットの声
WP紙の大統領候補ランキングでもメイヤー・ピート(ピート市長)がオルークを抜いて4位。メイヤー・ピートという呼称が定着しているのは、みんな彼の姓を発音できないから。日本語だと「ブティジェッジ」で定着しつつある。Opinion | Buttigieg is leaving Beto in the dust https://t.co/VUSRHgb664
— 中山俊宏 Toshihiro Nakayama (@tnak0214) 2019年3月31日
Pete Buttigieg37歳、インディアナ州サウスベンド市長。なんと発音するのかと思う人も多いでしょうが、米国も同じで、CNNはどう発音するかリポートしました。日本語表記は難しいのですが、とりあえず「ピート・ブティジェッジ」。彼が注目されたのには大きな理由があります。 https://t.co/0DzQronmTV
— 津田大介 日本にプラス+ (@tvasahi_n_plus) 2019年4月14日
15日未明のCNNテレビで米インディアナ州サウスベンド市のピート・ブティジェッジ市長(37)の大統領選出馬宣言を見た。恐らく民主党の候補者になるのはピート氏だろうと直感的に思った。世代交代を訴えるブティジェッジ氏は若さに似合わぬ落ち着きと語る言葉の明晰さで聴衆の心をとらえている。
— ジャーナリスト中村明 (@akirakepo) 2019年4月15日
最近 Pete Buttigiegに注目してるのだけど、日本語表記はどうなってるのか調べたら「ピート・ブティジェッジ」になってた。でも、ある意味カタカナで書いてもらった方が覚えやすい。😆 アメリカのメディアも正しい発音に苦労してるみたいだから。😂 まだ早いかな?実は、結構いいと思う。
— mochan64 (@mochan64) 2019年4月12日
ブティジェッジ氏が最初に注目されたのは予備選緒戦アイオワの世論調査でバイデン、サンダース氏に次いで3位に入ったこと。37歳でインディアナ州の10万人程の町の市長が勝つことは常識ではありえませんが、無名の新星が駆け上るのが民主党のパターン。異色のホープに注目です。https://t.co/40hB1zL8pH
— 津田大介 日本にプラス+ (@tvasahi_n_plus) 2019年4月14日
ブティジェッジは38歳、インディアナ州の中規模な街の市長。ハーバード卒、従軍経験あり、同性愛者。あらゆる点でトランプと異なる属性を持つ候補。彼が本選挙に出てトランプと勝負することになったら面白くなりそう。 https://t.co/nppc1KETA2
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) 2019年4月14日
5. まとめ
残念ながら、現時点ではブティジェッジ氏の名前の発音がし辛いとか、同性愛者である・・・といった表面的なことだけが注目されているのが実情に感じます。
スタンスとしては弱者の味方である民主党の政治家さんで、若く才能あふれる方ですから、今後はそういった点についても多くの方に知っていただければ・・・とこの記事を書いていて強く感じました。
今後氏に新たな動きがあれば、この記事を改変するか、新たなブログ記事を書かせていただきますので、よろしければ又本ブログをお読みいただけますと、大変嬉しく思います。
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