ファッション通販大手のZOZOがアルバイトを大量に募集し時給を大幅にアップさせるということで話題になっています。
ZOZO、アルバイト2000人を採用へ 週4勤務の時給、1000円から1300円にアップ
5/13(月) 11:14配信
ファッション通販大手ZOZOが5月13日、アルバイト従業員を新たに2000人採用すると発表した。また、待遇改善にも取り組み、週4日以上のアルバイト従業員の時給を1000円から1300円に引き上げるという。
同日には、ZOZO公式サイトで募集要項のページも掲載された。
同社の発表によると、対象は千葉県と茨城県にある物流倉庫「ZOZOBASE」 でのアルバイトスタッフ。新たに2000人を採用する。
時給などの待遇も改善し、週4日以上のアルバイトは現状の1000円から1300円に、週3日以下の勤務では1000円から1100円に引き上げるという。
また、従業員のパフォーマンスなどの成果や勤務日数に応じて、ひと月当たり最大1万円のボーナスを支給するという。
広報担当者によると、通販サイト「ZOZOTOWN」での商品取引数は増加しており、アルバイト雇用の拡大によって「商品取扱規模に対応できる安定した体制づくりを図る」という。
同社の代表取締役社長の前澤友作氏は、自身のTwitterで募集要項ページを投稿。「僕も学生の時、たくさんバイトしてお金貯めてスタジオ練習してバンドデビューできました。皆さんが好きなことを仕事にできますように」とコメントした。
出展:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190513-00010001-huffpost-soci
どうして増員が必要で基本給が大幅アップになったのでしょうか? その背景は? まとめてみました。
1. ZOZOアルバイトの内容
ZOZOアルバイトは前澤優作社長によって以下の様に案内されています。
ZOZOバイト時給1300円で2000名採用。夢叶えるために正社員は無理だけど、バイトしながら頑張りたいって人たくさんいます。僕も学生の時、たくさんバイトしてお金貯めてスタジオ練習してバンドデビューできました。皆さんが好きなことを仕事にできますように😊応募はこちら https://t.co/yqpnUuhB3o
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) 2019年5月13日
リンク先から応募ページを見に行ってみました。
まず最初に目についたのがアルバイトさんの1日の流れをあらわしていた特集ページ。
出展:https://corp.zozo.com/recruit/recruit-zozo/part-innovation/
画像だけでは実態が良くわかりませんが、「朝早いな」以外はいたって普通で「ま、こんなもんかな?」というのがブログ管理人の感想です。
朝8時から夕方5時までの拘束っていうのが僕なら嫌ですね(シフトにもよると書いてありましたので昼スタート、夜勤とかもありそうです)。
次に業務内容ページに行ってみましょう。
出展:https://corp.zozo.com/recruit/recruit-zozo/part-innovation/business/
- 検品
- 荷受
- 採寸
- 撮影
- 入出庫管理
- 発送
・・・なるほど、機械的に同じ動作を繰り返す作業ばかりですね。
重いものを持って移動したりとか、炎天下での作業では無いのでそういう観点では恵まれていますね。
「アルバイトで短期間だったらこれで良いと思いますが、一生は苦痛で続けられんな・・・」というのがブログ管理人個人の感想です。
また、社員登用制度については以下の様に明記されていました。
出展:https://corp.zozo.com/recruit/recruit-zozo/faq-part/
不定期で契約社員登用制度があるとのことですが・・・。 これをずっとやり続けたい人がおられるのでしょうか?・・・というのが個人的な疑問でした。
あと、気になったのはこういった工場的な環境で同じ作業を繰り返す職種ならば制服があっても良いのかな?と感じましたが、制服を着たく無い人もおられるでしょうし、服が汚れることが無い仕事現場ならこれでもオッケーですね。
2. ZOZOアルバイト条件が改善された背景
どうも藤田孝典さんという社会運動家の方がネットで呟いたことにZOZO側が反応してくれたということが背景にありそうです。
社長が「月にいく」ほど蓄えがあるのだから、賃上げができることは当然だろう。しかし、儲かっても自然とは労働者に分配されない。今回は、藤田孝典氏による指摘をきっかけに、世論が盛り上がったことが賃上げにつながったと思われる。
ただし、今回の「成果」はイレギュラーな部分も否定できない。本来、会社の利益を社員に分配させる仕組みは、労働組合と経営側の労使交渉によるからだ。労使交渉は法律に保護されているので、実効性が高い。今回のような賃上げを継続させるためにも、ぜひ労使交渉の枠組みが必要だ。
また、時給も1500程度まで引き上げなければ、やはり自立した生活は困難なままだ。大幅な増員も、ワーキングプアを増やしてしまっている側面もある。
今後の更なる賃上げと正社員化にむけて、ぜひ労使交渉の枠組みをつくってほしい。会社に労働組合を作ることは簡単。ブラック企業ユニオンなど、外部の組織に個人加盟するだけでできる。出展:https://news.yahoo.co.jp/profile/author/konnoharuki/comments/posts/15577166399439.79f1.05044/
このコメントに反応した前澤社長に関して以下の様にコメントする人も。
ZOZO前澤社長はやっぱり行動力あるなあ。藤田孝典氏などが指摘をして世論を盛り上げ、意欲ある企業が行動した。この流れがもっと広がっていけばよいし、企業の努力が報われるように、企業の従業員への還元が目に見える形になると良いなと思う。
— とある社内SEの人 (@toaru_shanai_se) 2019年5月13日
一方でZOZOTOWNのコミュニケーション室長の田端氏は以下の様に回答しています。
べ、べつに、貴方のために「満額回答」したんじゃないんだからっ!アルバイトさん達にもっと魅力的な職場と思ってもらうための施策なんだからっ!>【藤田孝典さんのコメント】まず非正規労働者の処遇改善を高く評価したいです。「▼ZOZO、時給1000円から1300円にアップ
https://t.co/SCvbhKX2Sb— 田端信太郎 @田端大学塾長である! (@tabbata) 2019年5月13日
こんなこと書かなきゃ良いのに・・・本当にコミュニケーション室長をこの人にまかせてZOZOは大丈夫なのか?と感じたのは私だけではないでしょう。
3. ZOZO大量増員の背景
ZOZOでは千葉県内で3箇所の物流センターが現在稼動中ですが、茨城県は現在1箇所のみ物流センターが稼動中。
さらに今年9月と来年9月に1箇所ずつ新たに茨城県内で物流センターが稼動することが予定されています。
こういった設備増設の為に、今から人員を確保しておこうという狙いでは無いか?と思われます。
4. ネットの声
実は時給が300円上がるだけで、フルタイムで働くと月に約5万円の給与アップになる。年に60万円。この生活改善、貧困解消の効果は計り知れない。地域経済にとってもプラスなので、ZOZOを参照して、各企業、労働組合とも賃上げ交渉をしてほしい。
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) 2019年5月13日
いいことですね!追随する企業が増え、最賃1,000円になればいいですな。「ZOZO」アルバイト2000人採用へ 時給1300円 ボーナスも | NHKニュース https://t.co/eMBWqcWRKa
— イケハヤ社長@ホワイト企業作り (@IHayato) 2019年5月12日
ZOZO前澤さんがバイトの時給1300円にする話、これ1見破格の賃金に見える(し相対値では事実として破格だ)けど1日8時間で10400円、月20日働くとして208000円、年収だと2496000円なんだよな。時給引き上げ自体は評価するけど、それでも年収300万いかず、月の手取りも18万程度という厳しい現実があるな。
— rei (@rei10830349) 2019年5月13日
げっそりげつようび~♪
╭◜◝ ͡ ◜◝ ╮
( ヽ´ω` )))))
╰◟◞ ͜ ◟◞ ╯(・_・)スッ
ZOZOが時給1300円&ボーナスでアルバイト2000人採用するそうなのだ
アルバイト確保には待遇改善が欠かせないとか言ってるけど、裏を返せば「絶対に正社員は増やしたくない」だけなのだ
使い捨て用の餌なのだ— 大沢愛 (@ai_oosawa) 2019年5月12日
ZOZO時給1300円は青森の最低賃金762円の2倍に近い。ますます地方で働くことがバカバカしくなってくる pic.twitter.com/0uM5T7BdOq
— わか子(°▽°) (@wakkotaso) 2019年5月12日
「ZOZO」は、アルバイト従業員の大量採用や待遇改善の方針を正式に発表。千葉県と茨城県にある物流センターで新たに2000人を採用し、週3日以下の勤務の場合は時給を1割引き上げて1100円に、週4日以上の場合は3割引き上げて1300円にするとしている。https://t.co/GpILfxVrde
— NHK@首都圏 (@nhk_shutoken) 2019年5月13日
ZOZOが非正規雇用を大量に抱えている問題がありつつも、その労働者の処遇改善に踏み込んだことは称賛したい。より安定雇用にしたらいいし、より賃上げしたらいいけれど、まずはその決定に労働者側は評価してあげなきゃ。まず一歩として、前澤さん、田端さんたちはよくやってくれた。
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) 2019年5月13日
普通に考えたら週4以上働くなら昇給も賞与も退職金もないアルバイトで働くメリットってあんまりないし。
5. まとめ
ZOZO自体が前澤社長の号令の下、アルバイトの賃金増加に取り組んだのは素直に評価すべきでしょう。
一方で「非正規社員を増やすだけ」とか「使い捨て人材を募集している」・・・と言った非難の声も少なくありません。
誰にでもできる単純労働で短期間だけやる仕事に時給をあげて働く場所を提供しようとしているという経営者/会社側の意見と、安い賃金でこき使われまくって疲弊している労働者側の意見で壁がある様に思われます。
正社員大量採用!!だったら良かったのかも知れませんね。
機械化が進む工場では今後雇用の機会が減っていく一方ですし、働く側は付加価値をつけることがますます求められる様になりそうです。