リリウム・アビエーションの五人乗り電動小型飛行機が初飛行に成功したというニュースがネットで話題になっています。
「空飛ぶタクシー」の独リリウム、5人乗り飛行機の初飛行に成功
[フランクフルト 16日 ロイター] – 「空飛ぶタクシー」の開発を進めるドイツのベンチャー企業「Lilium Aviation(リリウム・アビエーション)」は、5人乗りの電動小型飛行機の初飛行に成功した。
同社は、2015年にミュンヘン工科大学出身のダニエル・ウィーガンド氏とその友人3人が設立。空港で面倒なチェックイン手続きなどをする必要がない空飛ぶタクシーのサービスを2025年までに開始するため、電動小型飛行機を開発している。
共同創設者で最高経営責任者(CEO)のウィーガンド氏は「大量生産のモデルとなる飛行機を2年以内に設計・開発し、飛行させることが可能だ」と述べた。
これまで、欧州のベンチャーキャピタル、アトミコや、中国のインターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)<0700.HK>、LGTなどの投資家から約1億ドル調達している。
2017年には2人乗りの電動飛行機のテスト飛行に成功している。
出展:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190516-00000068-reut-bus_all
飛行機の形状は? 飛んでいる様子は? ネットで見つけてまいりましたのでどうぞ。
1.リリウム・アビエーションとは
最高責任者(CEO)のダニエル・ウィーガンド (Daniel Wiegand)氏 が2013年に事業開発案を作成し、2年後の2015年に3人のエンジニア、パトリック・ネーサン氏、マティアス・マイナー氏、セバスティアン・ボーン氏と一緒に4人で創業されたGmbh(合同出資会社です)。
ちなみにこの4人はミュンヘン工科大学で一緒に学んでいます。
資金調達力に優れており、このプロジェクトは以下の団体から出資を得ることに成功しました(約100億円)。
- バーバリア・ビジネス・インキュベーション・センター
- 欧州宇宙機関
- テンセント(中国のSNS運営会社)
- Atomico(スカイプの共同創業者ニクラス・ゼンストロームが経営する技術投資会社)
- Obvious(Twitterの運営・開発会社、)
- LGT(リヒテンシュタインのプライベート・バンク)
- Frigeist Capital (ドイツの起業家フランク・セレン/Frank Thelen氏の投資会社)
また、人材のリクルーティングに優れ、スタッフには有名企業出身者を積極的にリクルートし、強固なマネージメント体制でプロジェクトが推進されています。
主なスタッフメンバー:
- メギー・セイラー(人事部長)-テスラから勧誘
- レモ・ゲルバー(CCO:チーフ・クリエイティブ・オフィサー。 デザインやブランドマネジメント、宣伝戦略の運営を行う)-配車アプリサービス大手GettやGrouponの最高執行責任者を歴任
- ディルク・ゲブザー(製造ディレクター)-エアバスやロールス・ロイスで製造ディレクター職を経験
- フランク・ステファンソン(プロダクト・デザイン・ディレクター)-BMW 、ミニ、フィアット、アルファロメオ、フェラーリ、マクラーレンのカーデザイナー
- アーンド・ミュラー(マーケティング担当副社長)-Esprit Image社出身。
本社はドイツのバーバリア州ヴェスリングにあります。
2019年5月現在の従業員数は170名。
2. 世界の空飛ぶタクシーの開発競争
空飛ぶタクシーの開発は各国で取り組んでおり、実現に向けて競争が激化しています。
同じタイプの空飛ぶタクシーを開発している事業体で著名なのは以下の通り。
- Volocopter(ドイツ)-パソコンのCPUのメーカー・インテルや車両メーカーのダイムラーが出資。
- Ehang(中国)-ドローンのメーカーです。一度破産しています。
- Kitty Hawk(米国)-カリフォルニアにある一人乗りの空飛ぶタクシーを開発している会社。グーグル共同創立者のラリー・ペイジ氏が出資。
- Uber-配車アプリの会社ですが、空飛ぶタクシー開発にも力を入れています。
- エアバス-欧州の飛行機メーカー
- ロールス・ロイス-高級車で有名ですが飛行機用のエンジンも製造しています。
- ボーイング社-アメリカの航空機メーカー
3. 5人乗り電動小型飛行機が飛んでいる様子
リリウムの5人乗り電動小型飛行機は以下の仕様で飛ぶことが可能です。
- 垂直離着陸(VTOL)
- 動力は小型の電動ダクテッドファンであるが、ターボファンエンジンのように空気を圧縮して吹き出したものを推力にしています。
- 36機のファンを持ち、一つのファンが故障することで安全性が欠くことが無い設計になっています。
- 最高速度は時速300キロメートルに達し、1回の充電で300キロ以上航続可能
- エネルギー消費量は電気自動車に相当
- 騒音はバイク以下
出展:https://ja.wikipedia.org/wiki/Lilium%EF%BC%88%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%EF%BC%89GmbH
今回は初めての飛行というだけで宙に浮いただけですが、もうしばらくすると自由に飛び回る様子が世界中に配信されるのでしょうね。
4. ネットの声
この前親が空飛ぶタクシーの話してたの思い出した
— はかまん🌙🍤 (@pytha_robots) 2019年5月16日
AIや5Gなど高速通信技術によって、SFじみた世界が現実味を帯びてきている。あまりの変化のスピードに怖い感じもあるが、基本的にはワクワクする。不動産業界はどのように変わっていくのか妄想してみる。
「空飛ぶタクシー」の独リリウム、5人乗り飛行機の初飛行に成功 https://t.co/4fM64PrMmT
— SAMURAIGG (@SAMURAIGG4) 2019年5月16日
空飛ぶタクシーに乗ることになります。
ウーバーなどのメガベンチャーや、エアバス、ボーイング、アウディなどの従来のモビリティ企業も、開発に余念がありません。
保守的で動きの遅い日本ですら、官民協議会を立ち上げています。https://t.co/Rn5lQIpowD
— せかいのサカッキー@未来の話をしよう (@sakacky) 2019年5月16日
5. まとめ
Flying taxiは各国が競争して開発を進めていますが日本でなぜ開発が進んでいないのか(またはニュースになっていないのか)?不思議でたまりません。
トヨタ自動車の社長豊田章男氏が終身雇用はもうできない宣言をしたのが2、3日前ですが、こういった世界のトレンドに沿った商品開発ができればまだまだ日本の技術力も活かすことができて終身雇用を守ることができるのではないか?と技術系の知識が無いブログ管理人は思ってしまいます。
もちろん、飛行要件だとか航空法だとか様々な規制ががんじがらめで日本がFlying Taxiの開発が難しい環境におかれていることが容易に推測できますが、官民一体となって日本の経済を盛り上げていくためにもこういった商品を開発して国際トレンドに乗り遅れない様に尽力することが大切に思います。
誰か骨太で「Flying Taxiを開発して一大産業にするんだ!!」と気概がある人が出て来てくれないものですかね(私は他のことに興味がありますので残念ながらできませんけれども)?