歌手のR.ケリー氏が現地時間木曜の夜シカゴにて連邦法の性犯罪違反行為の疑いで逮捕されました。
ケリー氏はニューヨークで不正性行為を行なった疑いとジョージア州アトランタで不正性行為未遂の疑いで犬の散歩の途中で逮捕されたとのこと。
この逮捕によりイリノイ州北部の裁判所から児童ポルノ所有、捜査妨害などの行為で13件の起訴される模様です。
ケリー氏は数十年に渡り未成年の少女との違法性行為に関わっていた疑いで捜査が続いており、2月に$1million(約1.1億円)の保釈金を払っていました。
2月には10件の少女に性的虐待を行なった疑いで4人の被害者から届け出がありましたが、その内の3人は未成年であったことが判明しています。
その時には$100,000(約1,100万円)を保釈金として支払い逮捕から3日後に解放されています。
また、3月には元妻に対して養育費($161,000=約1,800万円)の支払いを怠った疑いで逮捕され投獄されていました。
5月末には陪審員により4人の被害者が訴えていた11件の違法行為に対して起訴が行われていましたが、イリノイ州の法律ではこれで有罪判決がでれば最高30年の懲役刑で投獄されることになります。
1. R.ケリー氏のプロフィール
R.ケリー氏の本名はロバート・シルベスター・ケリー(英:Robert Sylvester Kelly)1967年1月8日生まれ。
シカゴの南側、ハイドパーク出身です。
4人兄弟の3番目、姉、兄、本人、弟。
母親がプロの歌手で教会のコーラス隊でリード・シンガーを務めていました。その影響を受けてケリー氏は8歳から教会で歌い始めています。
複雑な家庭で育っており、家族以外に複数の年上の女性が一緒に住んでいたそうで、家族がいない時、8歳から14歳の間は10歳以上の女性から性的虐待を受けていたと2012年発売の自伝で告白しています。
タフな環境で育っており11歳の時は自転車で移動中に背中を打たれてその自転車を盗難にあったこともあるそうです。
また、幼い時のガールフレンドが目の前でいたずらで年上の少年たちに湖に投げ込まれて亡き者にされる衝撃的な経験もしています。
幼い時から歌唱力に優れたケリー氏はバスケットボールの選手としてもプロになれるくらいの才能があったのですが、高校の時の教師が歌の道を勧めテレビに出演したところ割れんばかりの拍手を受けたことからこちらの道に進んだことを自伝でも発表しています。
母親ととても仲が良かったことから、1993年に母親が亡くなった後に生まれた娘には母親と同じ名前をつけています。
1992年にソロアルバム 『ボーン・イントゥ・ザ・90’S』をリリースし、「シーズ・ガット・ザット・バイブ(She’s Got That Vibe)」などのヒット曲を発表。
1993年秋にはアルバム『12プレイ』(リリース時の邦題は『愛の12プレイ』)をリリース。「バンプ・アンド・グラインド(Bump & Grind)」はビルボードポップチャートで一位になり他にも複数の曲がトップチャート入り。
1995年に発表したアルバム『R・ケリー』は400万枚以上を売り上げ、「ユー・リマインド・ミー・オブ・サムシング(You Remind Me of Something)」(1995年のポップチャートトップ5、R&Bチャートでは1位を記録)、「アイ・キャント・スリープ・ベイビー(I Can’t Sleep Baby (If I))」、アイズレー・ブラザーズ(Isley Brothers)で知られる伝説的なR&B歌手、ロナルド・アイズレー(Ronald Isley)との共作「ダウン・ロウ(Down Low (Nobody Has To Know))」などヒットを続けてだしました。
この頃になって、作詞家としての才能も開花しR&Bグループのチェンジング・フェイシス(Changing Faces)、ジャネット・ジャクソン(「どんなときも、どこにいても(Any Time, Any Place)」)、マイケル・ジャクソン(「ユー・アー・ノット・アローン(You Are Not Alone)」)などに歌を提供しています。
「ユー・アー・ノット・アローン」はBillboard Hot 100で史上初の初登場1位になり、ギネス・ワールド・レコーズにも認定されている・・・など音楽的な才能は誰もが認めるところですが、同時にたくさんのトラブルを起こしたり巻き込まれたことでも知られています。
(1)違法結婚
27歳の時に15歳の未成年と結婚したことが問題になりました。女性側が結婚当時に18歳と偽った為に発生した事件でケリー氏は罪に問われませんでしたが、悪いイメージが定着しました。
(2)児童ポルノの所有
ケリー氏が未成年と性行為をしている様子が記録されたビデオが見つかりました。
被害者とされる当時未成年だった女性が裁判に証人として出廷することを拒んだことから不問になりましたが、この時のビデオが後に同じ容疑で逮捕された時の証拠として使われる様になり有罪判定をされています。
(3)未成年への性的虐待
2019年2月にイリノイ州クック郡の州検事が10件の性的虐待容疑でケリー氏を起訴しました。
1998年から2010年までに行われた10回の虐待行為で4人が被害者、その内3人が当時未成年だったというこの記事の冒頭で記載しました事件です。
この疑いに対して3月に米国の3大報道ネットワークのCBSがニュース番組でケリー氏にインタビューを行いケリー氏は身の潔白を訴えていました。
(4)R.ケリー氏の違法行為の報道
2019年1月にLifetimeというテレビ番組が全6回のドキュメンタリーでケリー氏のこれまでの性的虐待疑惑や違法行為を特集して放送しています。
ケリー氏はこれに対して法的処置を取ることを発表し、Facebookでページを立ち上げ、身の潔白を世間にアピールしていましたが、被害者の女性に関する個人情報が含まれていたということで後にFacebookがこのページを閉鎖しています。
(5)その他の騒ぎ
1996年にルイジアナ州のジムでケリー氏と彼の側近を巻き込んだ殴り合いのけんかをおこない、1年間の執行猶予保護観察処分を受けています。
被害者の一人は110針縫う大怪我をおっております。
同年、20歳の女性から彼女が15歳の時にケリー氏と性的行為を行なったと訴えられ$250,000(約2,800万円)支払い示談で和解しています。
1998年4月に3件の風紀違反行為(1件は車の中で大音量で音楽を聴いていたため)で訴えられ裁判沙汰になっています。
(6)Rケリー氏の音楽活動の差し止め要求
上述の騒ぎから一部の消費者の間でRケリー氏が発表した歌や映像を公共で流すことの差し止め請求が行われています。
こういった度重なる不祥事が彼の信用を失墜させ今回の逮捕につながったものと思われます。
2. R.ケリー氏の映像
最新のRケリー氏逮捕時の様子です。
こちらは3月にCBSが取材した時の映像です。
ケリー氏が大きく取り乱し泣きわめく様子がしっかりと撮影されています。
3. ネットの声
【性犯罪 R・ケリー被告を逮捕】https://t.co/ysRlU9bLFa
性的暴行などの罪で起訴されている米R&B歌手のR・ケリー被告が、性犯罪容疑で連邦当局にシカゴで逮捕された。シカゴ・サン・タイムズ紙は、被告が13件の性犯罪で起訴されると報じた。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2019年7月12日
歌手R・ケリー、性犯罪容疑で連邦当局が逮捕 NYに移送へ=報道 https://t.co/0w0VXTfUZ5 pic.twitter.com/11ru5iEsJs
— ロイター エンタメ (@ReutersJpEnt) 2019年7月12日
歌手R・ケリー、性犯罪容疑で連邦当局が逮捕 NYに移送へ
12日、連邦検事事務所の情報として、ケリー被告が13件の性犯罪で起訴されると報じた。
同被告は長い間、容疑を強く否定してきた。2008年には児童ポルノ関連で裁判にかけられたが、無罪となった。
https://t.co/CY4jCnu4ih— たまごのきみ (@tamagonokimi201) 2019年7月12日
R・ケリー、13件の性犯罪の容疑で逮捕 https://t.co/dM16f4tze1 pic.twitter.com/BnpNBkxFIY
— TokyoExclusive (@TOKYO_EXCLUSIVE) 2019年7月12日
Rケリー良い歌作ってんだけど
才能がもったいないな
どうなるんだろ— omi (@omi103oka) 2019年7月12日
あ、遂にR・ケリー捕まったのね…#utamaru
— しーむた (@seemta) 2019年7月12日
4. まとめ
Rケリー氏はこれまでに度々騒動をおこし、自身も騒動に巻き込まれるケースが続いていました。
保護観察処分を受けた時期も度々あり、恐らく、今回起訴されている容疑の何れかには絡んでいるだろう(中には便乗ででっちあげられたものもある筈)・・・というのが米国識者の間での共通の認識です。
性犯罪は卑劣で被害者にとっても深い極まりない行為ですが、ケリー氏の様に才能豊かな音楽家がこの様な容疑で長期間拘留されることになるのは大変悲しいし音楽的な損失であると多くの人が思っていることでしょう。
残念ですがしっかりと罪を償っていただくことになるのでしょうね。