カリフォルニア州の幹線道路で模造銃を向け警察官に撃たれた17歳の女子高生のニュースが話題になっています。
警官の発砲で昇天した米17歳少女、模造銃向けていた 警察が映像公開
米カリフォルニア州の幹線道路で、警官に模造銃を向けるハンナ・ウィリアムスさん(右)。フラートン警察が公開した警官のボディーカメラの映像より(2019年7月12日提供)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】米カリフォルニア州フラートン(Fullerton)警察が12日、今月5日に警官の発砲で少女(17)が昇天した際の映像を公開し、少女は模造銃を警官に向けていたとみられることが明らかになった。
フラートン警察は、ハンナ・ウィリアムス(Hannah Williams)さんの遺族の要請を受け、発砲した警官のボディーカメラの映像を公開した。また、父親のベンソン・ウィリアムス(Benson Williams)さんが、事件が起きた約1時間半後に娘が行方不明だと通報した際の音声も同日に公開。その音声によると、ウイリアムスさんは応答した警官に対して、ハンナさんが自傷行為をする恐れがあり、抗うつ薬を服用していると涙ながらに話していた。
警察の発表では、警官は、幹線道路で猛スピードで車を走らせているハンナさんを発見した後、車を追跡し、停止させようとした。しかし、ハンナさんは突然Uターンして隣の車線に入り、スリップして逆方向を向いたまま止まった。
警察が公開した映像には、警官が自分の車から出て、ハンナさんが運転していたバンの周りを歩き、運転席側に近づくと、ハンナさんが腕を前に伸ばし「射撃の構え」をしながら警官側に向かって歩いて来るところが映っている。その後、発砲があり、地面に倒れて助けを求めるハンナさんと、そばに転がる模造銃も映し出されている。【翻訳編集】 AFPBB News
出展:https://www.theguardian.com/us-news/2019/jul/11/hannah-williams-anaheim-police-shooting-parents-speak-out
1.ハンナ・ウィリアムズさんのプロフィール
ハンナさん一家は、父のベンソンさん、母のピラー・ルーニーさん(義母)と二つ年上の姉ナイラさん(空軍勤務)と、ピラーさんの連れ子の妹9歳と弟5歳、そしてハンナさんの6人で構成される家族。
母親のピラーさんが新しく働く保険会社で勤務するため、アリゾナ州からカリフォルニア州のオレンジ郡に一家で一年前に引っ越してきたばかりでした。
ハンナさんは4月に17歳になったばかりで泳ぐことが大好き、砂だらけのアリゾナからビーチが近い南カリフォルニアに引っ越すことで楽しい毎日を過ごしていた様でした。
高校2年性で数学、作文、芸術とスペイン語の勉強が大好きだった彼女は元気でクラスの人気者、サッカークラブのキャプテンを務め、背中を怪我した後もクラブ活動を止めずにいるくらい熱心なアスリートでした。
そしてこの夏、高校最後の年の新学期が始まる前の夏休みに、彼女は生まれて初めての仕事に就いたばかりでした。
ライフガードとして雇われ、彼女はこの仕事に誇りを持ち、CPRや救助活動などのこつをノートでメモに取り非常に熱心に打ち込んでいた様です。
初日にはプールに落ちた車椅子の女性と迷子になっていた小さな子を救い、やりがいを感じていました。
初めての給料日の後には家族を中華料理店に連れて行き支払い、2回目の給料日では独立記念日を祝う家族のために料理を買ってあげる様な家族思いの優しい子でした。
2. ハンナ・ウィリアムズさんが昇天した背景
ハンナ・ウィリアムズさんは7月5日の夕方にカリフォルニア州アナハイム(大谷翔平選手のエンジェルズの球場がある町)に警察に撃たれ亡くなりました。
ハンナさんを撃った警察官はフラートン署に所属する警官で、高速道路をパトロール中にハンナさんが高速道路で制限速度以上で車を運転し2台車にぶつかった後も走り去ろうとしていた様子を見かけたことから、その車を運転しているハンナさんを止め車外で尋問をするつもりだった様です。
なお、警察官の身分については今の所あきらかになっておりません。
警察官はハンナさんの車を止めることには成功しましたが、そこでハンナさんが抵抗し口論が始まり、車から出てきませんでした。
そして、レプリカの銃で”武装”したハンナさんが出てきた為、護身のために発砲したそうです。
パトカーについていた監視カメラには、銃で打つ構えをして挑発していたハンナさんがしっかりと映っており、打つ様子を見せた為に撃たなければならなかった様です。
そして、ハンナさんは撃たれた後病院に搬送され、そこで絶命しています。
その一連の流れを警察が最初にマスコミに公表した後に、事の顛末が家族に伝えられた為、家族は烈火のごとく怒り狂った模様です。
警察は突如ハンナさんの家族のもとにやってきて、不明瞭な質問責めを始めたそうです。
「ハンナさんは何か問題を抱えていましたか? 誰かと争っていましたか? 心の病気にかかっていませんでしたか? 武器をもっていましたか?」
そもそも、運転免許を持ってなかったハンナさんがどうして車を運転していたのかも不明ですし、どうしてそんな交通事故をおこしても継続して高速で車を運転していたかも不明、警官と口論になった背景も良くわからず、撃たれてしまった理由も良くわからない不明点だらけで、先述の訳がわからない質問と娘が警官に撃たれた亡くなった事実だけをフラートン警察署から事後報告を受けた家族は呆然と立ち尽くすしかなかった様です。
映像では確かにハンナさんが警官を挑発し銃で撃つ構えを見せていたものですので撃たざるを得なかったことはある程度想像がつく様ですが、どういう経緯でそういう状況に発展したのか謎だらけで家族は納得していない模様です。
3. ハンナさんの画像
ハンナさんは17歳の女子高生でした。
出展:https://www.theguardian.com/us-news/2019/jul/11/hannah-williams-anaheim-police-shooting-parents-speak-out
姉のナイラさん、父のベンソンさんと写るハンナさん。
出展:https://www.theguardian.com/us-news/2019/jul/11/hannah-williams-anaheim-police-shooting-parents-speak-out
姉のナイラさんの様に将来は空軍に入ることが夢だったそうです。
出展:https://www.theguardian.com/us-news/2019/jul/11/hannah-williams-anaheim-police-shooting-parents-speak-out
初めて雇われた仕事で上機嫌だったハンナさん。やりがいで満ち足りた毎日を送っていたそうです。
出展:https://www.theguardian.com/us-news/2019/jul/11/hannah-williams-anaheim-police-shooting-parents-speak-out
ご両親とナイラさん、愛する娘(妹)を突然亡くし言葉を失っておられます。
出展:https://www.theguardian.com/us-news/2019/jul/11/hannah-williams-anaheim-police-shooting-parents-speak-out
4. まとめ
元気で学業にも性格的にも優秀な我が子(兄弟)が突然警察に銃で撃たれ命を落とすとショックで立ち上がれないことでしょう。
監視カメラに映っている映像からハンナさんが警察官に反抗的で更に危害を与える可能性があったということが想像はつきますが、家族からしてみれば、警察がマスコミに事件を発表する前に家族に報告してこなかったこととハンナさんが撃たれた理由がなぞだらけなので不信感だらけなのも容易に想像がつきます。
大変お気の毒に思います。
警察としてももう少し誠意のある説明があっても良さそうなものでしたのにね。
ご冥福をお祈り申し上げます。