メキシコの刑務所から2度脱獄したエル・チャポことホアキン・グスマン受刑者が投獄される米国のコロラド州の連邦刑務所が今話題です。
2度脱獄した麻薬王エル・チャポ、「一生出られない」刑務所に収監
【AFP=時事】メキシコの元麻薬王、ホアキン・グスマン(Joaquin Guzman、通称エル・チャポ〈El Chapo〉)受刑者(62)が19日、最高度の警備体制が敷かれ、「ロッキー山脈のアルカトラズ刑務所(Alcatraz of the Rockies)」の異名を取る米西部コロラド州の連邦刑務所ADXに収監された。グスマン受刑者は終身刑を科されており、同刑務所で一生を過ごすことになる。
出展:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190720-00000018-jij_afp-int
グスマン受刑者は高名な麻薬密輸組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」の元最高幹部で違法薬物数百トンを米国に密輸し有罪判決を受け、今月17日に終身刑を言い渡されてコロラド州に移送されています。
このコロラド州の連邦刑務所には米国内で行われた犯罪で悪質且つ高名な事件をおこした受刑者がたくさん収監されていることでも有名ですが、内部はどうなっているのでしょうか?
調べてみました。
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1.コロラド州連邦刑務所ADXとは
コロラド州連邦刑務所は(英:The United States Penitentiary, Administrative Maximum Facility 【USP Florence ADMAX】)は凶悪犯が投獄されるため、看守と収監者の安全性を最優先で設立された米国内で最も警備体制が整っている刑務所です。
コロラド州のフレモント郡にあり、1994年に運営が開始されました。
37エーカー(15ヘクタール)→東京ドーム3.2個分の広さの刑務所施設は、160キロデンバーから南の場所にあります。
受刑者は常時監視下におかれ、1日のうち23時間はコンクリート壁の室内に拘束されることとなります。
電話は例外を除いて使用不可、外の様子を知るにも限られた情報しか電場を通じて入ってきません。
3年間最も制限状態が厳しい部屋に収容されると、少しだけ制限が緩やかな部屋に移動が許されることがあります。
この目的は、3年間良い態度で刑期を終えることで少しだけ緩やかな警備体制の部屋に移れるという収監者にやる気を与え、良好な姿勢で刑期を務めていただき刑務所内の治安を護ることが目的とされています。
安全性の高い刑務所ということで多くの方から評価されていますが、一方で受刑者が孤独になり精神面で安全に過ごすことができるのか?が良く議論になってています。
収監されるのは男性だけで、同等の警備レベルが敷かれている女性用の刑務所はテキサス州の フォートワースに存在します。
フレモント郡には他にも9つの刑務所が存在し、この刑務所が建設されることで新たに750から900人の雇用が生まれることからフレモントの住民が喜んだそうです(日本人の一般的な感覚とは異なりますね)。
最大収容数490人ですが、現在は400人が収容されており、過去に満員になったことはないそうです。
受刑者は1日23時間独房に収容され、1週間に5時間3名以上の監視員同伴で独房外で活動することが認められています。
独房には机、椅子、ベッド(これらは全てコンクリート製)、トイレ、水の無駄遣い防止の為のタイマー付きシャワー、洗面台、金属製で壁に埋めつけられた鏡、室外から操作できる電球、ラジオと教育/宗教番組だけが流れる白黒のテレビが備え付けられています。
また、壁は他の独房にいる囚人とモールス信号を使ってコミュニケーションが取れない様に防音設定になっております。
外が見える窓(10cm×122cm)もついていますが、刑務所内のどこにいるか室内からわからない様に設計されています。
空と壁しか見えない様な窓ですので逃げ出す様なことを考えられなくなるそうです。
独房は直線で10歩、部屋の中をくるくる歩いて回ると31歩で歩けるくらいの広さです。
食事は定刻に看守によって運ばれてくるそうですが、中には食堂で食べることを許されている受刑囚も居る様です。
刑務所内には動きを感知するセンサー、監視カメラ、1,400台の外部から動きをコントロールする鉄製のドアが設置されており、囚人は24時間監視されています。
そして、モニタールームからボタン一つで全てのドアが閉じる様になっています。
周囲は3.7メートルの鉄条網で囲まれており、武装した警備員が常時パトロールをしています。
そして囚人の中に刑務所内の安全を脅かすものを隔離する為の部屋Z-unitが3つ存在し、その部屋に隔離された囚人をベルトで固定できるベッドも用意されています。
ジョージ・ウェーカー・ブッシュ大統領(息子の方)の下で法務長官を務めたシェリ・ノーランさんによりますと、「囚人が中に入ると方向感覚を失いどちらを向いているかわからなくなる。また、中に入った囚人を救うために外部から忍び込もうとするものが居たとしてもまず中に入ることが出来ないし、万が一中に入れたとしても外に出ることは困難な鉄壁な防御施設である」と刑務所の様子を伝えていましたが、設計、設備、安全どちらも最高な刑務所であると言えそうです。
2. コロラド州連邦刑務所ADX中の様子
コロラド州連邦刑務所ADX中の様子がよくわかる映像を探してまいりました。
完全に外部から隔離されるそうですが、一生入ることが無い様にしたいものですね。
ちなみに、アメリカ合衆国に敵対行為を働いた外国人の囚人も何人かおられる様です。
3. ネットの声
通称がエル・チャボ(ちび)って可哀想過ぎる…………….. pic.twitter.com/pqaXVwdvdp
— まめこ🌈🌺 (@Omm_626) 2019年7月20日
麻薬王「エル・チャボ(ちび)」
(ちび) pic.twitter.com/DWBJnLwrXV
— SH1N-Z (@appsideman) 2019年7月18日
メキシコの麻薬組織を牛耳る鶏、
エル・チャボ。「コッコッコッコカーッ!!」
— にぼしのふりかけ (@karizumaing) 2019年2月4日
メキシコ麻薬王「エルチャポ」、米国刑務所で終身刑 https://t.co/k4ylwaTenb
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) 2019年7月17日
メキシコ麻薬王「エル・チャポ」に終身刑 米NY連邦裁https://t.co/jGPPmiKKwq
— LINE NEWS (@news_line_me) 2019年7月17日
メキシコの元麻薬王、ホアキン・グスマン(通称エル・チャポ〈El Chapo〉)受刑者(62)が19日、最高度の警備体制が… https://t.co/ox5c39kyS9
— AFPBB News (@afpbbcom) 2019年7月20日
エルチャポが収容されるコロラドのスーパーマックスやばいな
1日23時間独房
他者との接点は一切無し
収容後空や外を見る事が一生できない
そもそも更生プログラムがないぞっとする… pic.twitter.com/9nyL2Z4zkE
— 極道一番搾り (@Gokuichi_Jaken) 2019年7月18日
4. まとめ
エル・チャポの収監先は警備が徹底されており、彼自身の安全性は生涯守られ続けます。
しかし、ここに入るということは一生涯孤独と戦い続けることになるということでもあります。
麻薬カルテルで多くの人を犠牲にし社会に悪影響を与え続けた人物ですから、それ相応の刑罰が必要ではありますが、ここに一生入り続けなければならない・・・というのは普通の人だと耐えられないことと想像します。
大変な刑務所ですが、多くの犠牲者のことを想って反省していただきたいものですね。
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